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2013.8.26.(月)
井上晋の「マッチョな政治といつか来た道」
第4回 難しい政治用語をわかりやすく考える(2013年8月26日)

ほぼ月イチコラム 難しい政治用語をわかりやすく考える

BURNING MIND主席講師・井上晋の『マッチョな政治といつか来た道』 第4回

今日のテーマは、集団的自衛権って、どういうこと?

「官房長官が前内閣法制局長官発言に不快感 
 集団的自衛権「解釈改憲」に向けて動き急」

とのニュースが8月21日に報じられました。

いくつかのメディアでも取り上げられてきています。

今回は、集団的自衛権というものについて考えてみたいと思います。

まず、そもそも集団的自衛権とはなんなのかというと、

 「他の国家が武力攻撃を受けた場合に直接に攻撃を受けていない第三国が協力して
  共同で防衛を行う国際法上の権利である。
  その本質は、直接に攻撃を受けている他国を援助し、
  これと共同で武力攻撃に対処するというところにある」

とあります。

簡単に言うと

「仲間が殴られているのを見たら、
 自分が出て行って、殴り返しても良いよ。
 それって、正当な権利だよ。」

ということでしょう。

「殴られたら、殴り返していいよ。」というのが、
個別的自衛権というもので、
これは、感覚的にわかりやすい。

それに対し、
「友達が殴られたら、自分が出て行って殴っても良い。」
というのは、どうだろう。

「よっ!! 、男気あるね!!」

 となるのか

「お前は、まったく喧嘩好きだね、
 いちいち他人の喧嘩に首を突っ込むんじゃないよ」

 となるのか、

分かれるところでしょう。

さて、マスコミを中心にして今回の話題は、
議論が進むことになると思うのですが、

「いや、憲法に触れる」

「いや、当たり前の権利だから書いていないだけ、問題ない」

「いや、9条の精神を壊してしまう」

「いや、国連憲章でも認められている」

といった法律上の議論に終始してしまわないかが不安です。

この法律論って、

我々には、今一つ、ピンとこないのではないでしょうか。

困難な法律解釈論を繰り返し、

その情報に流されているうちに、

数の理論で、既成事実だけがつみあがってしまうと、

それこそが、いつか来た道になります。

(ことを進めやすくするためかどうかわかりませんが、
 内閣法制局(法律の審査や立案事務をおこなうところ)の
 長官も変更になりました。)

私の解釈が正しいとは言えないと思いますが、

「友達が殴られたときに、どういう対応をとるべきか」

もしくは、

「自分が殴られたときに、友達にどういう対応をとってほしいか」

を一人ひとりが考えてみることが、

シンプルに問題の本質に迫ることになるのではないでしょうか。

国家間の関係と、一個人同士の友情を一緒にするなと言われれば、

それまでなのですが、

我々が持っている価値観とは、日常的な人との関係の延長に他ならないと考えるべきです。

さー、みなさんは、

どう考えますか?

私は、任侠映画も大好きですが、

映画「グラン・トリノ」で、クリント・イーストウッド演じるウォルトが

最期に見せた、決着のつけ方に魅せられるのです。

それでは、ほぼ来月にお会いすることといたしましょう。

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