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2014.3.6.(木)
井上晋の「賛否両論のための基礎知識」
第4回 「東京オリンピックは誘致すべきではなかった」(2014年3月6日)

ほぼ月イチコラム オリンピックの功罪とは?
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第4回

修学旅行で買った木刀の後始末に困った思い出があります。
お土産屋さんでは、キラキラに輝いていていた同じ木刀は、1か月後にはすっかりその輝きを失っていました。

さて今回のテーマは、まだ興奮冷めやらぬオリンピックについてです。
論題はずばり「東京オリンピックは誘致すべきではなかった」。

オリンピックの誘致については、以前より賛否両論が繰り広げられてきました。

肯定派の意見として頷けるのは、
世界トップのアスリートをまじかに見ることができること。
ソチオリンピックの中継をテレビにかじりついてみていた私も是非ライブで見たいです。
また、都市基盤の整備が進んだり、海外の方々に東京、日本の良さを実感していただけたり、長い目で見て日本にとって良いことです。
関係が悪化しているアジアの国の人々とも同じ感動を同じ場所で味わい、コミュニケーションができれば、分かり合える部分も増えるかもしれません。

経済効果の事もよく取り上げられます。3兆円に及ぶ経済効果があるとみられています。
(みずほ総研データ)http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/

http://bit.ly/HL7bHC

つまり、世界の祭典を体感でき、海外の方々にも日本をPRでき、経済効果も上がるということになります。

一方で、反対派の意見としては、「日本の東京は2回目になる。もっと他の国に機会を与えるべき」。
確かにそうですね。

また、東京という都市に世界中の人々を受け入れるキャパシティーがあるのかという問題も残ります。
先日の東京マラソンは素晴らしい大会でしたが、首都圏の交通網はズタズタになります。日曜日の開催でそうなのですから、あのようなお祭りが2週間(パラリンピックを入れれば1ヶ月)、この狭い東京で行われると首都圏では仕事どころではなくなりそうです。
異常気象に弱いのも不安です。
東京の夏の風物詩となってしまったゲリラ豪雨は、ここ数年増加の傾向にあります。花火大会の中止ぐらいなら致し方ないのですが、競技日程への影響が心配です。

最期に経済的な負担です。
まず、設備を作るお金がかかります。
メインスタジアムとなる新国立競技場の建設費用は3000億円とも言われています。

そして何よりも問題となるのは維持費です。
長野オリンピックが良い例になります。
施設の老朽化に伴う修繕費なども含め年間の維持費は総額でおよそ2億円にもなるそうです。
冬場の施設というもあるのでしょうが、これに対して施設の収入はおよそ700万円。赤字は、長野市と国がほぼ半分ずつ負担しています。その分、住民へのサービスが低下しているということです。

熱狂的な雰囲気やお祭り気分は、ついつい財布のひもを緩めがちで、後先考えない行動に陥りがちです。
また、その場限りの浪費にもなりがちです。


かくいう我々のセミナー事業は、
元東京オリンピックの選手村であった「国立オリンピック記念青少年総合センター 」に大変お世話になっています。

2030年、2040年と先を見据えた大会にしていかないといけませんね。

では、ごきげんよう。

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