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講評

BMサマースラム2004-守- 全体講評

論題

「論題:日本政府は、イラクより自衛隊を撤退すべし」

2004年5月 執筆 中村雅芳

BM2004 2ndRumble の第一弾、BMサマースラム2004~守(しゅ)が、通常通りBM の聖地・新宿スポーツセンターで行われた。論題は日本の国際戦略の本質を問う 「日本はイラクから自衛隊を撤退すべし」。8月14日(土)に予定されるBMディベ ートマニアⅣの出場権をかけた、新世代軍と旧世代軍のぶつかりあいである。メ インイベントには先月の4月に第二代ディベートナイトの座を奪取した奥山が挑戦 者高澤を迎えての初防衛戦。結果はいかに?


【BMサマースラム2004 -守- ディベートマニア予選第1試合:
ディベーターA vs 中西夏雄】

新世代軍の一人ディベーターAが、旧世代軍中西に挑む予選第一試合。敗者は8月のディベ ートマニアⅣへの出場可能性がぐっと狭まってしまう為、お互いに負けられない1 戦である。トランプによるサイド決定によりディベーターAが肯定側、中西が否定側と決ま る。肯定側 ディベーターAは「イラク=戦闘地域」という現状分析の上で、自衛隊の活動 を非戦闘地域に限定したイラク特措法との法的矛盾を指摘。しかし現状分析に時 間がかかり、メリットの論証不足に陥った。否定側中西は、肯定側のミスを的確 にはつけないものの、人的国際貢献の必要性、肯定側プランによるデメリットが 発生する点を守り、試合は否定側中西の勝利。ディベートグラディエーター久保 田、ナイト奥山によるパートナー指名権を確保することに成功した。

【BMサマースラム2004 -守- ディベートマニア予選第2試合:
井上晋 vs 中村雅芳】

前ディベートグラディエーターを喰らい、パートナー指名権を得ることができ るか?新世代軍エース中村雅が井上に挑む。試合は、肯定側井上が、自衛隊 派権の法的根拠が崩れている点、自衛隊のサマワでの活動内容の貧弱さを軸に論 を展開する。しかし、フローシートをよく確認してみると、実は哲学と主張が結 びついていない!?・・・井上が「雰囲気重視型ディベーター」と呼ばれる所 以である。一方、否定側中村も負けてはいない。井上の「雰囲気」に飲まれ ることなく堂々とした試合展開。白熱の質疑応答⇒反駁⇒最終弁論は見ごたえが あったが、キャリアで上回る井上に一日の長があった。肯定側メリットへの反駁 が不十分、デメリットの論証に傾倒した否定側中村は善戦空しく敗退、8月角筈に 向けて痛い一敗となった。

【BMサマースラム2004 -守- ディベートナイトタイトルマッチ 奥山真 初防衛戦】

4月に引き続きタイトルマッチを実現してしまうのが今年のBM。オーディエンス が求めるエンターテインメントを追求し続ける姿は感動的だ。試合は、肯定側奥山 の内容ぎっちりの全く余裕のない立論で始まる。初防衛戦のプレッシャーか?  一方、否定側高澤は日米関係維持・石油供給元である中東和平が日本の国益であ るとの主張で反論。しかし、肯定側メリットへの反論、自衛隊撤退の理由に対す る反論が弱い。尋問でリズムを掴んだ肯定側奥山が試合のペースを握りそのまま 寄り切るかと思われたが、否定側最終弁論で高澤得意の「納得できません!!」 が炸裂。確信言い切り型ディベートの真骨頂を見せる。しかし、時既に遅く、肯 定側主張を崩すには至らなかった。初防衛戦に勝利した奥山の謎のコメント「奴 にエイドリアンがいなくて助かった・・・」

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