講評

講評

論題

BM2006 - 1stRumble キックオフディベート 2nd Burning
「バーニングマインドは年2回の大会を有料化すべし」

講評:高澤拓志

肯定側:奥山 
否定側:井上・中村雅
【試合結果】:肯定側勝利
ジャッジ総数 4名
肯定側 2票(51.34P) 否定側 2票(47.00P)

■<概  略>
BM2006の経営ディベートであるが、肯定側のBM2006を展望したプランに対し、否定側は消去的・ネガティブな論に終始してしまった。 BMがいまおかれている現状と、今後目指している方向がなにかを理解している肯定側の勝利

■<肯定側立論>
◇哲学:BMディベーターの成長によるBMディベートの普及と啓蒙
◇BMカルチャーの定義
  競争による序列
  がんばった人にチャンスを与える
◇現状
  ①太田龍樹氏への依存体質
  ②教育活動が拡大している
  →よって全員の底上げが必須
◇プラン2点
 ┣①大会費を集める 500円(学生200円)
 ┗②会場は「トスラブ赤坂」を使用
   72席 会場費用は21,000円
  ③見学者に特典 後日無料レクチャーが受けられる 
   講師は大会で好成績を収めたもの
◇メリット2点
 ┣①BMディベーターの成長促進
    有料化による責任感アップ
    講座の講師によるスキルアップ
    → 大会の質が向上し、BMディベートの普及啓蒙になる
 ┗②コアオーディエンスの開拓
    肯定的で意識が高いオーディエンスを選別できる
BMのカルチャーを提示した上で、後日のレクチャーを受けられるというしくみをつくった。
お金を取ることによる直接的な効果がいかほどかは論証できてはいないが、現状改革派としてBMの組織としてのありかた、またそのためにひとりひとりのスキルアップが必要なんだというわかりやすい構成であった。

■<否定側立論>
◇哲学:BMディベートの啓蒙と普及は 質の高いディベートと人間関係によって成し遂げられる
◇問題点
 ①BMとオーディエンスの関係が変化
   ボランティアの関係 → サービス提供者
 ②メンバーへの負担の強要
  エンターテインメント=演出
  時間的制約があるのに責任がとれるのか?
 ③会場は、奥山が居ないと使えない
  70名程度では、目的を達成できない

そもそも、昨年までのBMの存在意義や、オーディエンスへの価値のあり方の捉え方が間違っていたようだ。常にエンターテインメントを目指してきたBMだが、自己啓発の集団であるといった言葉が聴かれたのが残念である。
また、時間的制約などの問題は、この論題を考えるに当たっては非常にネガティブであり、会場の問題などは、奥山がいないからというよりは、70名しかは入れないというところにもっと深く切り込んでいくべきだった。お金を取らないでやっていくことの積極的な意見をもっとだしていくべきである。

■<否定第一反駁~肯定第一反駁>
ネガティブブロックの否定側だが、本当の意味のネガティブ(消極的という日本語的な意味)に終始してしまった。お金を取ることがBMの「エゴ」であるとか、会場がつかえないなど。また、いまの肯定側のプランではオーディエンスのパイが増えずに質が向上しない。
一方の肯定側奥山は、うまく争点をまとめ、「現状のままでいいのか?」「レギュラーディベートがなくなるのに大会の質はあがるのか?」「オーディエンスの数か?質か?」プラン導入により、現状改革をし、大会の質を上げていく オーディエンスの質も上げていく必要があることを訴える。
否定側は立論の流れをさらに強め、現状改革を主張する肯定側への反論も弱くできない理由を並べている反論である。

■<否定最終弁論~肯定最終弁論>
否定側はプランを導入したときのリスクを主張する プロとしてのリスクがとれない(欠席者が出たらどうなるのか?) モチベーションを上げるために金を取るのではなく スキルアップをまずすべき 会場もふさわしくないなど。
一方肯定側奥山はBM2006への思いを語る熱いものだった 否定側のネガティブな意見を一喝し 逆に肯定側のプランで太田龍樹依存体質を脱却するために有料化を「てこ」としてメンバー一人一人が成長していくという哲学につながっていく 「何もしなかったら死である」という言葉を残して最終弁論を締めくくった。

■<判定と総括>
否定側から出てきた言葉は、時間的制約やそれに対する責任など前に進んでいくBMにあってはネガティブな意見に終始した。かつ、現状認識が「自己啓発集団」という間違った認識が、最大のミスであろう。代表からの講評にもあったように、この辺は猛省して取り組んでいくべきであろう。 一方の肯定側は、副代表としての責任を感じさせる最終弁論であった。
この論題は、大会でお金をとるのかとらないのか?という経営ディベートである。その効果がいかほどかを立証するのは難しいが、それによってBMディベーターの成長を促進し、それがBMの組織としての成長につながるというもの。 否定側としても、いまのBMの現状分析をしっかりとおこない、お金を取らないことの積極的な意義、それがいまのBMの柱なんだという論を打ち出すべきであろう。

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