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2013.7.16.(火)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第9回 「婚外子の立場」(2013年7月16日)

週刊コラム 絶賛連載中
時事問題をディベートで紐解く 第9回
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話

今日のお題は、婚外子の立場。

こんばんは

福岡・博多では山笠祭りが終わり、
お盆の行事が全国各地で行われているわね。
お盆というのは、7月15日を中心に日本で行われる、祖先の霊を祀る伝統的な行事。
地域によって、日程も特徴もちがうけど、
全国各地でご先祖をお迎えし、送り出す儀式が行われる。
自分の命の有難さや、道を切り拓いてくれた先祖にあらためて感謝する、
とてもすばらしい風習だと思うわ。

そんななか、命の重さを考えるはなし。
婚外子(こんがいし)の相続権が、
結婚した男女間に生まれた子の半分とした民法規定が
「法の下に平等」という憲法に違反するか否か
7月10日に最高裁大法廷が当事者から意見を聞く弁論を開いた。
2丁目の連中も、この男女とか婚姻のことにはうるさいわよ。

婚外子とは、結婚(入籍)していない父母の間に生まれた子供。
2011年の出生割合は2.2%で2万人を超すそう。
ただし、兄弟や同じ父親の子供でも、母と入籍したかしてないかで
相続権は、半分になってしまうという民法規定がある。

いまの世論や専門家の大半は、「違憲」を支持。
「選択の余地のない出生によって子供が差別を受けるべきでない」
事実婚やシングルマザーの増加で
家族の在り方は多様化している。
だから、時代に即した判断をするべきだと。
当然のように聞こえる。

でも、ディベート的にいうと
じゃあ、なんでこれが今の今まで「合憲」でまかり通ってきたのか?
気になるところ。

調べてみたんだけど
ひとつは、日本の一夫一妻制度を保つため。
結婚制度の維持、つまり「モラル」なのかしら。
やっぱり、子供を産むならちゃんと結婚して籍入れなさいって。

もうひとつは、
キャスト(主体となる登場人物)を子供に向けてみると、
結婚した夫婦の間にできた子供の権利を守るため。
妻を捨ててよそで女をつくって、子供までつくっちゃった父親。
残された子供たちのことを考えるとたまらない。
「この民法規定だけが心の支え」というのよね。

そんな風にキャストライトアップしたうえで、
どっちが正しいのだろう??
あくまで公平公正の立場でジャッジする。

結婚制度と相続財産の多寡って因果関係を持つべきなんだろうか?
結婚してない男女の間に生まれた子供って普通じゃないって
勝手にフィルターかけちゃってないかしら?
やっぱり、時代の流れに応じて物事を変えていくことこそが
我々の使命なのではないかしら?

太田龍樹の著書『ディベートの基本が面白いほど身につく本』
P82の「最終弁論のやり方を身につける」において
「根底に流れる哲学がなにか。議論の本質を明確にせよ」と書いてある。
世論やマスコミに流されないで、ここをしっかり考えてたいわね。

「制度」「モラル」「生命」「平等」こういう
計ることができないさまざまな物差しで物事を論じていく。
そこにもディベートは活かされているのね。

それでは、また

BY ひろ☆たかさわ

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