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2015.5.19.(火)
ひろ☆たかさわのディベートちょっといい話
第104回 「大阪都構想の住民投票」(2015年5月19日)

週刊コラム 時事ネタをネオ・ディベートで紐解く
ひろ☆たかさわの ディベートちょっといい話  第104回
こんばんわ
大阪都構想の住民投票。
大接戦だけど、わずかに反対票がうわまわったのね。
大阪市を廃止して、
5つの特別行政区に再編成する。
140万票がほぼ半分にわれるという
「引き分け」に近い闘いだったけど、
1票でも上回った方が勝ちは勝ち。
これが民主主義であり、この選挙のルール。
この投票結果で
大阪市は存続、橋下市長は今年いっぱいで政界引退となった。
BMディベートが提唱する51対49、
本当に大阪市を二分(にぶん)する接戦になった。
ディベートでは
この接戦は大歓迎。
だけど、当事者は接戦だけど負けたら意味がない。
選挙は見世物ではないし、接戦を演ずる必要もない。
この選挙戦はまさに
オーソドックスな政策ディベートだった。
それぞれが政策(プラン)を出すのではなく、
肯定側である橋下市長を中心とした大阪維新の会が
「大阪二重行政の解消」を掲げて
大阪市を廃止し都構想の実現を訴えた。
2000億円以上のコスト削減、住民サービスの充実がそのメリット。
否定側は、
かえって住民サービスは低下するし、600億円のコストがかかるというのが
否定するおもな理由。
でも、そこに「大阪市をなくしたくない」という
切なる想いが強く、
「橋下氏の強引なやり方を許さない」という
理屈をこえた反対勢力があった。
東京都新宿区の住民であるあたしたちにはわからないし、
この議論の是非は論じられないけど、
「本当に政策の中身を判断して決めたのか?」って思ったりもする。
歴史の積み重ねは重い。
よく、天皇制廃止のディベートで、天皇制の歴史について語られる。
住んでる当事者たちは、その想いは強いのでしょうね。
自分が住んでる市がなくなる?って保守的に考えるのも
無理はないかもしれない。
でも、半分は賛成した。
大阪市に危機感を持っていることは事実だし、
橋下氏を全面否定することはできない。
ディベートの哲学にもあたる
市民に訴える「ビジョンや夢」という希望は、
半分まで票を集めたが、上回ることはできなかった。
この橋下さんのやりかたについて
もう少しうまく住民に語りかければよかったのでは?と思う側面もあるけど
一方で、「独裁政治」という言葉をつくったり
慰安婦問題の過激発言など、
強引で強固な意志がここまでのエネルギーになったのかもしれない。
ただ、
最後は自民党をはじめ
すべてを敵にまわしての孤独な闘い。
負けたらやめるとの覚悟も市民には通じず
さわやかな笑顔には、ふとさみしさもよぎる。
ノーサイド。握手はなかったけど、
お互い相手を認め、次へ進もうとする姿は、
結末としては気持ちよいけど、
ここからがまさに大阪の
そして日本の政治の正念場なのね。
投票率66.83%の
関心を引き出したこの住民投票。
これは、間違いなく橋下さんの功績。
これが単なる橋下つぶしであってはならない。
将来に危機感を持ち、
「日本を変えよう!!」という想いを
理由なくつぶさないでほしいという願いもある。
「稀有な政治家」が、反対勢力に負けた瞬間。
ディベート的な観点から見て
みなさんはどう思われたかしら?
それでは また
BY ひろ☆たかさわ

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