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2014.8.30.(土)
アビコ青年のネオ・ディベート事件簿
File22「本物に触れるということ」(2014年8月30日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 22

本日のテーマは「本物に触れるということ」です。



夏になるとふと思いを馳せる、世界で一番遠い場所があります。それは、小笠原諸島です。
関東の天気予報では、天気図の右下に別枠で記されている、あの島です。

なぜ、世界で一番遠いのか?その理由は距離ではなく、到着までの時間にあります。なんと片道25時間半もかかるのです。地球の裏側に近いブラジルでも、飛行機なら25時間で到着します。これが「世界で一番遠い場所」と称されるゆえんです。

国内なのに丸一日かけてもたどり着けないのは、交通手段が船(おがさわら丸)しかないためです。言わずと知れた、世界自然遺産。その自然を守るために、島には空港がありません。東京湾から約1,000㎞。直線距離では東京―福岡間と同じ距離を、竹芝桟橋(東京湾)からただひたすら真っ直ぐ、ノンストップで突き進んでいきます。

島の魅力は、数えだしたら際限なく挙げられます。
島にしか生息しない、固有種の動植物の数々。
ナイト・ダイビングで真っ暗な海に飛び込み、突如目の前に現れた巨大な伊勢エビ。
イルカの群れに飛び込んで、一緒に泳いだドルフィン・スウィム。
日々、新たな発見と驚きの連続です。

その中でも、今でも心に残るのは、島の方々の「おもてなしの心」です。

帰りの船は、本当に大勢の方々が港まで見送りに来て下さいます。島民の方はもちろん、ペンションの従業員さんから、ダイビングショップの店員さんまで様々。見送りのための小笠原太鼓をたたくパフォーマーの方は「航海安全 皆再会」の願いを込めて、渾身のパフォーマンスを披露して下さいます。

船に乗った観光客も、岸に面したデッキにびっしり詰めかけています。その数、700名。
私もその中の一人として、島で過ごした一週間を思いつつ、眼下に広がる景色と島の方々を眺めていました。

すると突然、岸から「アビコさん!」と大きな声で呼ばれました。ふと見ると、私がお世話になったダイビングショップの店員さんが、群衆の中からわざわざ私を見つけて声を掛けて下さったのでした。「アビコさん、また来て下さいね!待ってますよ!」と叫んで下さったときは、思わず熱い気持ちになりました。

乗客と岸辺の島民はお互いが見えなくなるまで、手を振りながら「また来てね!!」「ありがとう!!」と気持ちを伝え合います。

さらに凄いのは、小笠原名物「見送り船」が、おがさわら丸を追いかけて併走してくれるのです。それも、10数隻の船が沖に出る直前まで。

見送り船から手を振りながら「ありがとう!また来てね!!」といい、最後は海に向かって一斉にダイブ!通称「見送りダイブ」をして、最後まで島に来てくれた事への感謝の気持ちを全身で表現して下さいます。ここまでされると、もう心は鷲づかみにされてしまいます。たまたま私の隣にいた中年の女性は、感動のあまり子どもの存在も忘れて号泣していました。

「話し方にもっと自信がつく100の法則」(太田龍樹著 中経出版)では、法則89「本物に触れなければ本質は見出せない」と紹介しています。現場に行かなければ分からないものは、確かに存在します。作家・寺山修司氏の言葉「書を捨てよ、街へ出よう」を実感する、現地に足を運ぶことの大切さを再認識できる機会でした。

島に足を運んでからしばらく経ちます。またいつか行けるその日まで、心に刻んだ景色を胸に、日々頑張ろうと思います。

夏のピークも峠を過ぎて、そろそろ暑さも落ち着き始めるこの季節。実りある秋に向けて、「第13期 使えるディベートセミナー」も始動します。これまで多くのご支持を頂いた当セミナーも、今期は大胆にリニューアル・さらにパワーアップしてお届けします。本物のコミュニケーション、本物のビジネス・スキルとは何か?徹底追求しています。ぜひ、セミナーの現場に足を運んでみて下さい。詳細は弊社ホームページをご参照下さい。

以上、アビコレポートでした。

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