講評

講評

論題

BMディベートキング選手権
「日本政府は、国連安全保障理事会の常任理事国になるべし」

講評:高澤拓志

肯定側:ディベートナイト 久保田浩
否定側:ディベートキング 太田龍樹
【試合結果】:否定側勝利

キング、ナイトとも相当緊張したという、まさに死闘を予感させる入場 ともに風格を感じさせる。
■<肯定側立論>
目標設定型の立論は非常に良かったと思う。太田氏のメールでディベート講座①を見返すと、目標設定型の由来に、アメリカの国家威信回復というゴールの設定が書いてあります。 今回のゴールも「日本の威信回復」であり、それを思い起こさせた。 しかし、メリットを見て思うのは、(他の2試合もそうなのだが)いったい誰に、どのようなメリットが享受されるのか、それは常任理事国入りでしか達成されないものなのか。 ここが哲学と論理的につながっていないのではないか。例えば、 肯定側の唯一の被爆国として拒否権を使う→確かに常任入りしないと拒否権は使えない拒否権を使えば、被爆国として国際貢献できる。そうすれば、日本の威信は高まる。 しかし、威信が高まったところでだれが恩恵を被るのか? そこで今回の議論では、「国益」という言葉ははずせないのではないかと感じるのである。

①に関してはアンケート結果を元に、信頼性の向上を主張する。
②は受講料の取得
③は教育などを請け負ったときの手続きが楽になることを述べる。全体として、哲学の「エンターテイメントディベートの啓蒙・普及活動」とメリットの結びつきが感じられない点が残念ではあったが、随所にエビデンスを引用し、一通りの立証責任は果たす形となった。

■<否定側立論>
キングのすごいところは、国連も含めた日本外交の基本路線を示したうえで議論していること。そして、デメリットを国益の観点と、国際的利益の観点で分けていること。(ディベーターCさんが指摘されてましたね) そして、そのなかでも、今回は憲法9条の話と「敵国条項」のことは、はずせない議論である。なぜなら、国連の成立から歴史的背景を考えれば、そして、いままで常任入りできなかった理由を考えると、日米安保と並び、やはり大きな壁となって立ちはだかっているのです。ここを、キングは反対尋問を使いながら、一貫して主張していた。

■<結論>
・肯定側は、メリットをしっかり打ち出せてない ・肯定側は、哲学が、反駁以降トーンダウンした(反駁では第一歩を踏み出す、できることからやるとなっている) ・肯定側は、反対尋問有効に利用し切れなかった ・否定側の反対尋問、立論とも、内容が本質をついている ・ただし、否定側のデメリットも、ワラントエビデンスの論理構成(発生過程)がいつものキングに比べて弱い部分もあり。 ナイトは、自分のメリットをもっと主張できる試合であればつけ入る隙はあったと思える。 内容的・試合的にも 否定側が上回った。

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