講評

講評

論題

ディベートマニア・カーニバルシリーズ 10月第1試合
「日本政府は、株式会社等の病院経営参入を全面解禁すべし」

講評:奥山真

肯定側:まほ龍∞賢゛一郎(太田・本間)
否定側:晋選村(井上・ディベーターA)
【試合結果】:肯定側勝利

激しく変動したBM2003を締めくくる Final Rumbleの初戦。3ヶ月 続けて戦うチームのコンビネーションが試される。中堅ディベー ター本間を使いこなせるか、新人ディベーターAの力を引き 出せるのか? 勝負を決める重要な要素となるチーム内での コラボレーションが一番の見所と言える。

■<肯定側立論>
比較優位型の立論。哲学が見事に判断基準としての尺度を保って いることがわかる。果たして論証できるのか?
メリットのラベルを見て思うのだが、極めて分かりやすく端的である。 加えて①国民 ②医療機関 ③国 という利害が複雑にからみあ う三者が論題を中心にwin-win-winの関係を築ける、とジャッジに アピールするラベルであった。理念・論題とのリンクも見事に調和 がとれている。

論証を見ていく。論拠、証拠資料等問題がなく、肯定側の立証責任を全うしていると判断した。

■<否定側立論>
国民皆保険の優位性を前面に立て、市場原理と日本の医療制度 が不調和とする哲学で始まる。判断基準としては申し分ない。しかし、デメリットを4点あげたが、立証しきれていない。論拠・証拠と もに不十分と判断した。時間切れの為、肯定側メリットへの反駁 はゼロである。肯定側立論の出来が良かっただけにもったいな かった。この時点で試合は既に終わっていた。

■<結論>
・否定側はメリットへの攻撃がない時点で、大きなデメリットを立証 する他は勝利する方法がなくなった。しかし、デメリットの論証は 不十分であった ・良いディベートの試合は「噛み合う」ことが第一前提である。肯定 側立論の出来が第一のハードルだが、否定側立論は第二の ハードルである。肯定側立論の出来が良かっただけに、否定側 立論のデメリット4点は多すぎた。 ・否定側はニューアーギュメントが目立った。チーム内での意思の 共有が不十分ではなかったか?

内容的・試合的に肯定側の完全勝利。

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