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2017.5.4(木)
アビコ青年のディベート事件簿
File57「新日本プロレスに思う、『見せ方』と『魅せ方』について」(2017年5月4日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 57

本日のテーマは、
「新日本プロレスに思う、『見せ方』と『魅せ方』について」です。

■新日本プロレス、相次ぐ試合中の事故
プロレス人気が再燃しています。
長らく人気低迷していたプロレス復興の立役者は、
やはり業界最大手の新日本プロレスの存在が大きいです。
しかしながら、今年に入って試合中の事故が頻発しています。
つい先日も、IWGPヘビー級王座を賭けたオカダ・カズチカvs柴田勝頼戦でのこと。
あまりに激しい試合を繰り広げた結果、
試合後に柴田選手は「硬膜下血腫」と診断され、
5時間にも及ぶ緊急手術を受けました。
おかしい…何かがおかしい…。
私がそんな「違和感」を覚えて久しい中での出来事でした。

■イッテンヨン、オカダ・カズチカvsケニー・オメガ戦
「違和感」― それは、新年早々の試合に端を発します。
新日本プロレスで「イッテンヨン」といえば、1月4日のこと。
同時に、東京ドームで毎年行われる一大イベントを意味します。
この時のメインイベントが、オカダ・カズチカvsケニー・オメガ戦。
すごい試合でした。45分を越える激闘の末、オカダ選手が勝利。
世界的にも注目を集めた一戦でしたが、私は試合を見終えた時、
胸に残る感情は「恐ろしい」の一言でした。
あまりに危険な技を使いすぎるからです。
躊躇なく場外にダイブしたり、高所から相手を投げ飛ばしたり…。
大切な頸部が、頭部が、容赦なく地面に叩きつけられるシーンの数々。
レスラーの命を守るには、ファンはこれで喜んではいけない。
そんな危機感さえ覚えました。

■「見せ方」=「魅せ方」の工夫
最近の激しい試合の数々に、業界内からも批判の声が上がり始めました。
日本が世界に誇るトップレスラー・中邑真輔選手(※)は、
「1回、各レスラーの危険なワザ、 リスクを顧みない試合の構成を、
もう1度考え直す必要がある」と警鐘を鳴らします。
思えば、プロレス技は必ずしも過激である必要性はありませんでした。
かつて「闘魂三銃士」として一世を風靡した武藤敬司選手、蝶野正洋選手、橋本真也選手。
彼らの豪快な印象とは裏腹に、
得意とする必殺技は昨今のプロレス技よりもずっと地味なものでした。
特に、武藤選手と蝶野選手の必殺技は「関節技」。
当然、打撃系や空中殺法のような過激さはありませんが、
それでも会場は割れんばかりの大盛り上がりでした。
それは必殺技にもっていくまでの試合構成の妙であり、
地味な関節技も極めれば、その選手の強さの象徴にもできるということです。
つまり、見せ方ひとつで、いかようにでも魅せられる事実を教えてくれます。

■プロレスラーは生涯現役の鏡
プロレスラーには、できることなら生涯現役でいてほしい、そう思います。
なぜなら、多くの世代のファンそれぞれが自己投影できる存在が必要だからです。
プロレスは自分を投影できる存在がいると熱くなれます。
若い世代のファンは、今勢いのある若手レスラーかもしれません。
一方、往年のプロレスファンは、体一つで20代のレスラーと真っ向勝負する
同年代のレスラーを応援するかもしれません。
先日のオカダ選手と柴田選手の試合。私は柴田選手を応援していました。
私と同年代でとにかく感情移入しやすい。
そして、どう見てもアントニオ猪木にしか見えない風貌とファイトスタイル。
まるで昭和のレスラーがタイムスリップして、
現役のチャンピオンと戦っているように見えてならないのです。
「負けるな!まだまだ20代の若造なんかに負けるな!」から、
「負けないぞ!まだまだ俺も負けてなるものか!」に変化していく感情。
それこそがプロレス観戦の醍醐味の一つです。
各世代が、それぞれの人生を重ね合わせられる存在がプロレスラー。
だからこそ、長生きして欲しいのです。長く現役選手として活躍してもらうためにも。
だからこそ、危険な技の応酬こそいい試合という風潮に歯止めをかけてもらいたいのです。

■パトスの奥深さ
おっと、これではアビコ青年の「プロレス事件簿」になってしまう。
グイッと話をネオ・ディベートの世界へ戻し、我々の日常に当てはめてみます。
プロレス技は必ずしも危険な技(大げさ、派手)である必要がないことは、
話し方にも通じる側面があります。
例えば、大きな声で話さなければ相手に気持ちが伝わらないかというと、
決してそうではありません。
場合によっては、小声の方が人の耳目を引くことはよくある話です。
声が枯れるまで叫び続けるよりも、そっと耳元でささやく方が、
人の心を射抜くシーンもあるのです。
要するに、プロレスも話し方も、魅せ方は工夫次第。
人の感情は、それほどまでに複雑で繊細という事実。
私もコミュニケーション業界の「生涯現役選手」を目指し、
バーニングマインドのメンバーとこれからも切磋琢磨していこうと思います。
「以上!」(柴田選手風に)
※中邑選手は、新日本プロレスから世界最大のプロレス団体、
アメリカ「WWE」に移籍した、まさに正真正銘のトップレスラー。
 入場シーンだけでも本場アメリカのファンを完全に魅了する日本人レスラー、
 それが中村真輔選手。

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以上、アビコレポートでした。

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