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2017.2.24(金)
第45回 「原発事業の不都合な問題」(2017年2月24日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第45回

「天空の蜂」という映画を見ました。
東野圭吾原作の1995年の小説を2015年に映画化したものです。
江口洋介、本木雅弘という主演の脇を、綾野剛、仲間由紀恵などの豪華キャストが固める見応えのある映画です。
さまざまなテーマが扱われている映画なのですが、主たるテーマは「物事の良い部分しか見ないで、「不都合な事実」には蓋をする日本という国、そこに住む群衆に対する痛烈なアンチテーゼ」と私は受け取りました。
ここで取り上げられている、見て見ないふりをしている都合の悪いもの「不都合な事実」とは、原発です。
原発の優れた部分と合わせて、安全性、そこで働く人々の健康、関係者への差別などが描かれています。
2011年東日本大震災の16年も前にこのテーマを扱った作者の炯眼には恐れ入ります。
3.11をもって日本も世界も、「見てみないふりをしている都合の悪いもの」をまざまざと見せつけられました。そこから世界は大きく変わっていきます。
分かりやすい例では、米国のGEはいち早く原発事業に見切りをつけて、他のエネルギー資源に経営資源をシフトしています。
一方で、原子力というものは、人類の手に負えない物だと知りながらも、その不都合な事実から目をそらしてきた企業があります。
そうです、東芝です。
同社については、
2015年の会計問題やチャレンジといった不正圧力などの、内部統制の問題が挙げられていますが、一番の問題は、原発事業の不都合な問題に気がつかないふりをして、今のままで良いという選択肢を取り続けた事だと私は思っています。
その結果、2006年には、1兆円を超える自己資本を保有していた会社が、原発事業で相次ぐ減損を計上し債務超過に陥り、最終的には会社が解体されることになった。
1兆円という資産10年で食い潰したのほぼ原発事業です。(他の事業では、利益を出しているのですから)
巨大企業を、壊滅に追いやったのが原発事業です。
そして、日本には多くの原発があり、内2機は稼働中です。
映画のなかで主人公は、「子供は蜂に刺されないと蜂の怖さを分からない。」と言います。
一度、蜂に刺された私たちはどうなのでしょうか。
皆さんはどう思いますか。

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