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2017.5.3(水)
第47回 「森友学園問題と教育勅語」(2017年5月3日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第47回

森友学園の問題をきっかけに、「教育勅語」に関するニュースが飛び交うようになりました。
稲田大臣をはじめとする政府の要人が、
「教育勅語の考え方自体は間違っていない。」
「憲法に抵触する部分を除けば、現代でも大切な教えである。」
という発言を繰り返していました。
そして、ついに4月1日に安倍内閣は「「憲法や教育基本法に反しない形」で教材として使用を認める」という閣議決定を出しました。
これは、どういうことでしょう。
教育勅語を読むと、12の徳目が記載してあります。
1、父母に孝行しなさい
2、兄弟は仲良くしなさい
3、夫婦は仲良くしなさい
4、友達とは互いに助け合いなさい
5、行動は慎み深くしなさい
6、他人に博愛の手を差し伸べなさい
7、学問を修めなさい
8、仕事を覚えなさい
9、仕事により、能力を高めなさい
10、徳と才能を磨きなさい
11、法律を守りなさい
12、危急の事態が発生したら、皇室の為に一身をささげなさい
12番目以外は、確かに現在でも大切だと言える考え方です。
当たり前と言えば当たり前です。
12番目は、明らかに憲法に抵触します。
また、勅語そのものが「天皇」⇒「臣民」に語られるという形式をとられていますので、その部分も、憲法に抵触します。
そうすると、憲法に抵触しない1番から11番の徳目は大切で、教材にしてもいいよと閣議決定したことになります。
とてもざっくりいうと、「親孝行は大切だよ」と閣議決定したことになります。我々の政府はこんな当たり前なことをいちいち閣議決定という重要な決議にかけていくのでしょうか。
「安倍内閣は、泥棒はだめだと閣議決定しました。」みたいなことが起こりうるのでしょうか。
あり得ないことです。
とするならば、「憲法や教育基本法に反しない形」でとされた部分に重要な意味があることになります。つまり、解釈の幅を広げながら、12番目の徳目も重要であるというメッセージを、国民の反応を見ながら投げかけているとみるのが正しいのです。
もしくは、11個の徳目そのものではなく、過去に封印された「教育勅語」そのものの存在を復活させたいと思っているととらえることが正しいと言えます。
そうでないと「当たり前のことを、仰々しく閣議決定している間抜けぶり」の説明がつきません。
安倍首相の子飼いである、各大臣が小出しに、教育勅語を肯定する。
世間では一部反対はあるものの、賛同者もいる。
では、条件付きで閣議決定する。
さらに、今後様子を見ながら、条件を見直す。。。
これまでこの国の政府がとってきた常套手段です。
周辺国との緊張が高まる中、この内閣の態度には要注意です。
皆さんはどう思いますか。

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