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2017.7.31(月)
第50回 「偏向報道といじめ体質」(2017年7月31日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第50回
【偏向報道】 [へんこう-ほうどう]
ある特定の事象について複数の意見が対立する状況下で、特定の立場からの主張を否定もしくは肯定する意図をもって、直接的・間接的な情報操作を行うといった報道のこと。
【いじめ体質】[いじめ-たいしつ]
肉体的、精神的、立場的に自分より弱いものを、暴力や差別、いやがらせなどによって一方的に苦しめるといういじめをする傾向があること
今回は、偏向報道といじめ体質について考えてみたいと思います。
安倍内閣の支持率が7月に入ってから急降下しています。
朝日新聞 7月10、11日 38%
毎日新聞 7月22,23日 26%
産経新聞 7月22,23日 34%
各社の調査にもよりますが、1か月で10ポイントほど下げていることになります。
これまで、強引に政策を推し進めてきた(議席があるので強引とはいえ否定できないのですが)ことに加えて、
森友問題、加計問題、南スーダンPKOの日報問題が大きく影響していることは間違いありません。
加計学園の問題については、様々な情報が錯そうしていますが、簡単にまとめるなら、
「50年間も設立されることが無かった獣医学部が、なぜか総理の友人が理事長を務める大学で認められた。これは、なにか不正があったのではないか?」
ということです。
ここで、金銭の授受があった、直接的な便益を払ったのであれば問題ですが、具体的な物証はなくまだ疑惑のレベルです。
さて、この疑惑を晴らすべく、様々な立場の人が証言をし、連日その内容が報道がなされています。
「問題あり派」の筆頭は前川事務次官の証言です。
これは、多くのメディアで何度も取り上げられました。
「官邸の意向が働き、行政がゆがめられた。」
「総理のご意向、官邸の最高レベルがいっていること、といったメモは本物である。」という、週刊紙での記事を正しいものだという証言でした。
一方で、「問題なし派」の有力発言は、元愛媛県知事の加戸守行さんの証言でしょう。
氏の証言の概要は、
「そもそも10年以上前から獣医学部の新設を求めていた。」
「その時に手を上げてくれたのは、加計学園だけであった。とてもうれしかった」
「昨日今日の加計ありきではなく、ズット(民主党時代から)加計ありきできた。」
というものです。
(加戸さんの発言は、ニコニコ動画で全部見れますので、ご興味あれば是非見てください。話し方、内容ともに参考になります)
http://www.nicovideo.me/watch/sm31586776
問題は、国会での加戸さんの発言が、大手のメディアではほぼ取り上げられなかったという点にあります。
7月10日が証人喚問でしたので、7月11日の各紙のトップを見れば一目瞭然です。
日経新聞は加計問題を11日の総合2面で大きく取り上げていますが、加戸氏の名前も出てきません。
他紙もおおむね同じです。
同じ国会での発言にも関わらず、前川次官の発言は、新聞では1面を飾り、2面、3面にも記事がかかれている、テレビでも取り上げている。一方の加戸元知事のそれは、ほぼ取扱は無いに等しい。
このような報道を行った後で、世論調査をおこない、「ほらやっぱり国民は怒っている」という結果をさらに報道する、、、。
加計学園での獣医学部設立にむけて不正があったかどうかは、金銭の授受があったかなどの直接的な証拠を見つけるしかありません。
「怪しい、怪しい」と繰り返し、怪しくないことを証明できないのであれば有罪であるというのは、魔女裁判以外の何物でもありません。
ディベート的に考えるのであれば、野党やマスコミは、贈収賄があったことを立証すべきで、否定側に無罪を立証させるというのは成り立ちません。(問題提起する側の立証責任から議論はスタートします)
なので、本来マスコミは、怪しいということも伝えながら、野党は明確な立証をしていないとも伝えるべきです。
安倍政権が強引な政治手法をとってきたことは私も認めます(ただし、選挙で議席を取っている以上合法です)。
また、国としてのありようを大きく変える政策をとっていることも認めます。
その反発からか、今回は大きな揺り戻しが来ているようです。
我々はそこでフェアな議論がなされているかどうかをしっかりと見届ける必要があります。
今回の事件でマスコミは公平に情報を配信しているでしょうか。
偏った報道をするのであれば、自分たちは思想信条的に偏っていると明言しているでしょうか。
野党は、「怪しい、おかしい」という印象や憶測を超えて、問題を立証しているでしょうか。
安倍政権の運営手法には、私も反発する部分は多々あります。しかし、議席を与えた以上致し方ないことです。
一方で、支持率が一気に落ち込む背景に、「池に落ちた犬を叩きまくる」というか「人の不幸は蜜の味」といった、陰湿ないじめ体質が見え隠れしていることに危機感を覚えます。
歴史において世論が一気に動く時、「偏向報道」と「いじめ体質」が双方に影響し合っていることが多いと思います。
大きな動きがある時こそ、冷静に情報を分析する必要があります。
そして、その情報源として現在の日本のマスメディアは、信じられないと私は結論づけました。
皆さんはどう思いますか。

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