講評

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論題

BM Debate GrandPrixⅢ 準決勝
「論題:日本のアニメといえば ドラえもん・サザエさん・ドラゴンボールのどれ?」

講評:高澤拓志

ドラえもん側:井上
サザエさん側:久保田
ドラゴンボール側:奥山
【試合結果】:サザエさん・ドラゴンボール勝利
ジャッジ総数 141名
ドラえもん(25票) サザエさん (84票) ドラゴンボール (32票)

■<概要>
日本を代表する三つのアニメキャラクター。
日本のアニメといえばどれか? それぞれの軸を打ち出して
100%ジャッジ比率をもつオーディエンスに訴えられるかがポイントとなった。

■<立論>
ドラえもん 
アニメは文化性
ドラえもんには
① メッセージ性がある
② 発想が色濃く生活につながっている
 以上2点を具体的なアニメの中から話を引用して訴える

サザエさん
① 愛される続けている(昭和21年からの歴史)
② 日本人のDNAを引き継いでいる
  忘れてはいけない時代背景
③ 古きよき日本の大家族
   家族との心の交流

ドラゴンボール
世界で絶大なる影響力
 世界で3億部以上の発行部数、国内でもNo.1
人気の理由
①美しいイラスト
②カンフーブーム・西遊記
③家族愛・友情

上記を見ると、やはり「日本の・・・」というところをうまく表現しているのは久保田であろう。 奥山の、世界の中での日本のアニメの存在感というのもうなずける
それに対し、井上はうまくまとめたかにみえたが、 「日本の・・」という部分にやや弱さがあるか?ただし、その独特のパフォーマンスが場内の笑いを誘い、うまくつかんでいった。

■<尋問>
ドラえもん→サザエさん
どこに感動があるのか?単調な作品
ドラえもん→ドラゴンボール
視聴率落ちている、今は放送してない。人気がない証拠では?
  (答)そこは、ストーリーがあるから放送が終わったと切り返す奥山

サザエさん→ドラゴンボール
なぜ、世界で売れていることが日本を代表することになるのか?
日本の輸出量の0.01%にしかならない。インパクト薄い
サザエさん→ドラえもん
のびた症候群という言葉の通り、怠惰な人間の象徴ではないか?

ドラゴンボール→ドラえもん
静香ちゃんの入浴シーンが多すぎる、教育上よくない
  (答)これは、日本の情勢がきれい好きであることをあらわすと切り返す
ドラゴンボール→サザエさん
まんがとアニメは別のもの
  (答)まんががあるからアニメがあるというその重みを訴える

振り返ると、全員がそれぞれにワンポイントずつの質問をしている。
質問の中身は、あまり効果的でなかったものが多い。
ただ、受け答えが面白く、そこは機転をきかせた各ディベータが場内を和ませる。
奥山の、「サザエさんの漫画とアニメがちがう」という切り込みはテーマに沿った奥深い質問であるが、そこは久保田がうまく切り返した格好だ。もっと突っ込んでも良かったのでは?

■<反駁 ~ 最終弁論>
以上の立論尋問を踏まえた再整理・再構築をかけた各ディベーター
ドラえもん
日本の文化に貢献したはドラえもん
のびたとの愛・友情

サザエさん
原作があったからこそアニメがある
wonderful world of Sazaesann(素晴らしきサザエさんの世界)
日本の文化、DNA、家族愛

ドラゴンボール
終了から10年たっても衰えない人気
世界への影響力を物語る
イラスト・サウンド・ストーリー 三拍子そろったアニメ

■<総括>
プレゼンで優位に立った井上、質問への切り返しなど「切れ」があったことは、ゲストの出口先生も絶賛している。しかし、チーフDインストラクターの太田もいっていたように 中身が論題とずれていた感がある。
やはり、日本の・・というところをうまく捉えたのは久保田のサザエさんであろう
漫画とアニメは違うというのは、つかれると痛いところだがうまく切り返したところに勝因があるのであろう。 語り口も落ち着いていて聞きやすい。
ドラゴンボール・奥山も、「世界で日本のアニメがこれだけ売れている」という軸を絞って訴えたところはよかった。
久保田への「漫画とアニメの違い」をもっと切り込めば面白かったが、 ドラえもんに対しては、静香ちゃんの入浴シーンにこだわりすぎた感もある。

オーディエンスも、上記を判断して久保田へ投票した人が圧倒的に多かった。
テーマに沿っているか?分かりやすくまとまりのあるプレゼンか?
この二つの要素が勝敗を分けたといえるだろう。
以上

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