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2016.1.23(土)
第31回 「テロによって起きている死を考える」(2016年1月23日)

ほぼ月イチコラム
時事問題がわかる BURNING MIND主席講師・井上晋の『賛否両論のための基礎知識』 第31回
トルコでまたテロが起きました。
中東の情勢は、ますます混迷の色を深めているようです。
このところテロが頻発しており、そのインパクトが自分の中でも薄らいできているので、少し考えてみました。
テロが起きると、多くの命が奪われます。。
今回も10名の方がなくなったと伝えられています。
昨年10月トルコのアンカラで起きたテロでは、86名の方が亡くなられています。
ところで、人の死には、3つの人称があるといわれています。
フランスの哲学者 ウラジミール・ジャンケレヴィッチによる分類です。
この哲学者の主張の解釈はいろいろあるようですが、
柳田國男さんの解釈をかりれば、
一人称の死:自分の死
二人称の死:身近な人の死
三人称の死:知らない人の死
となります。
テロによって起きている死というものは、私たちにとっては「三人称の死」となります。しかしながら、この問題を二人称のそれとして想像してみることはできます。
そうするとテロのもつ一つの側面が見えてきます。
それは、「憎悪や怒りを増幅させるシステム」という側面です。
2者の対立する原因が、宗教や歴史観の「違い」から、「許すことのできない怒り」に変わってしまうということです。
話し合いや理性の世界ではなく、感情の世界に深く入り込んでしまうということです。
テロの死傷者の数の何倍もの人々が、テロにより二人称の死を体験しています。
このような人々に「感情ではなく、理性で行動してください。復讐はダメです。」と自分は言えるだろうかと考えると自信がありません。
もはや我々は戻れないところまで来ているのでしょうか。
皆さんは、どう思いますか。

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