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2018.5.9(水)
アビコ青年のディベート事件簿
File66「料亭のご主人の“うまい言い方”」(2018年5月9日)

ほぼ月イチコラム アビコ青年のネオ・ディベート事件簿 file 66

本日のテーマは、「料亭のご主人の“うまい言い方”」です。

■それはある日、突然に

仕事上、私は得意先のお客様に製品説明会を実施します。
お客様のお仕事の休憩時間にお時間をいただくので、
お弁当を用意していきます。

ところがつい先日、
お客様のご都合でどうしても1週間前倒しで実施することになりました。
もっといえば、「申し訳ないけど、明日、説明会をお願いします」とのご要望でした。

困りました。
というのも、お弁当は仕込みの関係もあって、
どのお店でも3日以上前に予約をいれる必要があるのです。

■料亭のご主人の「粋な話し方」

ダメもとでも連絡をと思い、
いつもお世話になっている料亭にお電話しました。
受話器の向こうは、お店の見習いとおぼしき男性。

「明日ですか!?すみませんが、三日前までしかお受けできないんです。」

当然の返答ですので、お詫びの言葉を添えて電話を切りました。
その直後、そのお店から電話がかかってきました。
お店のご主人でした。

ご主人「いつもお世話になってます!お弁当のこと、うちの見習いから聞きました。
 どうもすみません。すぐにお断りしたんですって?」
私  「とんでもないです。無理を承知でお電話したので、こちらこそ申し訳ないです。」
ご主人「そんなことないですよ。本当は3日前までしかお受けしていないんですけど、
    いつもお世話になっているので何とかフル稼働で頑張りますよ!」

とてもありがたかったのはもちろんですが、
ご主人からは多くの気づきを与えていただきました。

「頑張りますよ!大丈夫ですよ!」と私を気遣いつつも、
本来は「三日前までしかお受けできない」ことはしっかり伝えています。
ちゃんと言うべきことは伝えているのです。
「ダメなものはダメ」と言われても仕方ない状況ですが、
私はご主人の言い方のほうが、心理的に受け入れやすいものです。

■「言いたいことを言う」のが目的ではない

「説得」や「交渉」と聞くと、
「とにかく言いたいことを言わなければいけない」と思われがちです。
ディベートもそのための手段と誤解されていることもよくあります。

ですが、説得や交渉の真の目的は、
「自分が思った通りに、相手が動いてくれる」ことです。

確かにその場で原理原則をそのまま伝えることはできます。
ただし、お客様相手に杓子定規な対応をしてしまうと、
次からはもう来店してくれなくなるかもしれません。
もちろん、お客さんに問題があるのですが、
とはいえお客さんが来なければ何も始まりません。

■ちょっとした気遣いで、視点を変えてみる

同じことでも、視点を変えると感じ方も変わってきます。
誰かと会話をするときはもちろん、
ご自身で何かを考えるときにも大いに役立ちます。

例えば、日々仕事をしていると思うこともあります。
「時間がない。まだ終わらない。もうだめかもしれない。」

そんな時、視点を変えて言葉を言い換えられる人は強いです。
「まだ1日ある。半分は終わった。もう少しで仕上がるかもしれない。」

どちらも同じ状況で発した言葉ですが、
それぞれの言葉は「失望」と「希望」の両極にあります。
思考は言葉で作られます。
つまり、言葉を変えれば思考も変わるのです。

■もしも、正しいことを言っても伝わらないなら

何気なく使っている言葉を見直してみると、
実は無意識に相手が不快になる言い回しをしていた、
ということはよくあるものです。
やっかいなことに、言っている内容自体は正しいので、
話しているご本人には自覚がないケースが多いのも事実です。

こんな時には「相手の視点」「相手の立場」を強く意識して
言葉を紡ぐトレーニングが効果的です。
その手段として、実はディベートは効果絶大。
多角的なものの見方を意識せざるを得ないからです。

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以上、アビココラムでした。

BURNING MIND『ディベートの基礎知識・ディベートとは』

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